現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

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PER・PBRの正しい使い方

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「PER・PBRの正しい使い方」について述べていきたいと思います。
※耳で聞きたい方のためのラジオ版(同内容のYouTube)はこちら↓
投機家フッキーの「投資・投機でカモにならない思考法」
 
 
☆PER・PBRとは何か?
 
PER=株価÷一株あたり純利益
PBR=株価÷一株あたり純資産
 
どちらも「個別銘柄の割安性を測る指標」として使われています。
一般的には「PER=10倍以下なら割安、PBR=1倍以下なら割安」というふうに使われる場合が多いです。
 
 
☆注意点その①
 
PER・PBRのやっかいなところは「株価が下がってもPERもPBRは上がる可能性がある」ということです。
一般的には「株価とPERもPBRは連動している」というふうに認識されがちですが、「株価の下落以上に分母である一株あたり純利益・純資産が下落してしまった場合にはPER・PBRは逆に上昇する」ということが起こりえます。
具体例を出します。
 
株価:100円
一株あたり純利益:10円
 
の銘柄があったとします。
この場合のPERは
 
PER=100÷10
  =10倍
 
となります。
そしてこの株の一株あたりの純利益が変動せず株価が50円に下落した場合にはPERは
 
PER=50÷10
  =5倍
 
となるので株価とPERは連動します。
そして連動しない場合を考えます。
今度は株価が50円に下がり、一株あたり純利益が2円になってしまった場合には
 
PER=50÷2
  =25倍
 
となります。
PERを計算する分母となる一株あたり純利益が株価以上に下がってしまったので、株価の下落前と比べてPERは上がってしまっています。
PBRも同様なのですが、このPER・PBRというのはあくまでも計算分母が「一株あたり純利益・純資産」なのでそこの変動(上昇・一定・下落)も鑑みてやった方がいいと思います。
 
 
☆注意点その②
 
注意点その②は「PER・PBRの割安性の水準は銘柄によって異なる可能性がある」ということです。
今度はPBRを例に出します。
一般的にはPBRは1倍以下だと割安とみなされるのですが、個人的に調べたところでは「銘柄によってPBRの平均水準が異なるので、PBR=1倍以下でも必ずしも割安というワケではなく、逆にPBR=1倍以上でも必ずしも割高というワケではない」というのが現在の結論です。
 
例を挙げると、PBR=0.8倍の銘柄があったとしても過去何年分かの平均PBR=0.5倍であったならばその銘柄のPBR=0.8倍という水準は割安ではなく割高ということになりますし、PBR=10倍の銘柄があったとしても過去何年分かの平均PBR=20倍であったならばその銘柄のPBR=10倍という水準は割高ではなく割安ということになるということです。
つまりはPBRの場合は「全ての銘柄がPBR=1倍以下なら割安と判断できるワケではなく、それぞれの銘柄のよってPBRの割安・割高の水準は異なっている可能性が高い」ということになります。
そしてPERも調べてみたのですが、同じ結論になりました。
なのでPER・PBRを判断軸として投資をしたい場合には「過去の平均PER・PBR」を一度調べてみることをおすすめします。
 
 
☆まとめ
 
以上述べてきましたが、まとめると
 
☆PER・PBRは計算の分母となる「一株あたり純利益」・一株あたり純資産」も考慮に入れるべき
☆PER・PBRには単一の割安・割高の水準があるのではなく、銘柄それぞれの割安・割高の水準がある可能性が高い
 
ということになります。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。