現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

現役のトレーダーとしての実感・経験・視点から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。

専業トレーダーになることをおすすめしない理由

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「専業トレーダーになることをおすすめしない理由」について述べていきたいと思います。
※耳で聞きたい方のためのラジオ版(同内容のYouTube)はこちら↓
現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」
 
 
☆おすすめしない理由その①「年度によって収入がぶれる」
 
トレーディングという「殊更不確実性が高い仕事」においては年度によって収入がぶれにぶれます。
僕の例で言うとだいたい「+10%~+80%」くらいの範囲内で収入がぶれます。もちろんこの範囲外になる可能性もありますが、試行回数を増やしていくことでだいたい中間値に収まるんじゃないかと思っています。
ということで、収入がぶれにぶれるので今後の計画というのはかなり立てづらいので、何かを計画するときにはだいぶ保守的に計画を立てることになります。
あと収入が少ないタイミングだと気分があまり良くないので、そもそもその計画をキャンセルしたくなります。
 
 
☆おすすめしない理由その②「ストレスが強いので、精神的にキツい」
 
利益確率が100%ではない以上、もちろん損失が出ることもあります。というかザラです。
そういう意味ではトレーディングで得た収益というのは「暫定的な収益」であり、それを市場にお返ししなければならないことが頻繁に起こります。
この日々の損益の増減は脳にとって非常に強いストレス要因ですし、気を抜くと「このままで大丈夫なんだろうか?」というよろしくない空想が湧いてきます。
給料で例えるなら「前月は100万円の給料をもらったが、今月は50万円を会社に返さなければならなかった」という感じになります。
会社員の場合は給料は一度もらったらば、よほどのことをやらかさない限りは会社に返すことはないのでそういう意味では「一度手に入れたものを手放すストレス」とは無縁なワケです。仮にそんな会社があったら暴動が起きているでしょう。
そしてこの「一度手に入れたものを手放すストレス」というのはどれほどのものなのかは行動経済学の「プロスペクト理論」で説明できます。
 
同じ額の利益と損失があったとすると、利益の方は実額そのままに心の中で感じられるが、損失の方は心の中では実額の2~2.5倍の強度で感じてしまうこと。
 
ということを言います。
具体例を挙げます。
「利益/回=100万円、損失/回=100万円」
「利益確率=60%、損失確率=40%」
の取引があったとすると、この期待値は
 
実際の期待値=100万円×60%-100万円×40%
      =60万円-40万円
      =+20万円
 
ということになります。
この取引は「やればやるほど利益が積み重なっていく取引」ということになるのでやらない理由はないワケです。
しかしこの取引は心の中ではどう感じているかと言うと、
 
心の中で感じている期待値=100万円×60%-(100万円×2)×40%
            =60万円-80万円
            =-20万円
 
ということになります。
つまりは実際の期待値はプラスなので取引を積み重ねれば利益が積み重なっていっているのに、心の中の期待値はマイナスなので取引を積み重ねるほどにストレスや精神的ダメージが積み重なっていっているワケです。
それほどに損失というのは精神へのダメージが大きいです。
 
 
☆おすすめしない理由その③「社会的信用がほぼゼロ」
 
トレーディングは不確実性に向き合う仕事なので、収入も不確実性があることはさきに説明しましたが、これは主に「マンション・アパートを借りるとき」などに問題となってきます。
大家さんに「職業は?」と聞かれて「自営業です」と答えると、
 
「自営業、仕事が不安定そうだな」
 
と思われる可能性が高いと思います。
そして「具体的には?」と聞かれて「株のトレーダーです」と答えると、
 
「自営業かつ、株のトレーダー?こいつは本当に家賃払えるのか?」
 
と思われる可能性が高いと思います。
そうなると本来は毎月家賃を払っていくのを「一年間分の家賃を前払い」ということになりかねないワケです。
こちらとしては「一年間分の家賃を運用に回したらいくぶんか利益が出せると思うのにな」と思うので、前払いしないに越したことはないワケです。
 
ということで「株のトレーダー」というのは一般的には「不安定な仕事の代表格」として見られがちなので、こういった社会的な面でデメリットが出てきます。
そしてこれは銀行で住宅ローンや車のローンを借りるときにも同じことが言えると思います。
おそらく貸してくれないことはないのでしょうが、リスク相応分に金利は高くなると思います。
 
 
☆まとめ
 
以上が「専業トレーダーになることをおすすめしない理由」でした。
僕の場合には「会社の制度上、会社員でいることの方が独立するよりもデメリットが大きかった」ので独立して専業のトレーダーになっているワケですが、基本的には上記の理由で専業トレーダーになることはおすすめしていません。
個人的なおすすめは「会社勤めをして給料をもらいながら株の勉強をし、じっくりと投資をしていく」です。
もちろん人間関係とかのストレスはあるかとは思いますが、「給料がもらえない不安」はないと思うので「経済的なストレス」を抱えながら投資をすることは避けられると思います。
そういった無駄なストレスがない環境でじっくり勉強していって自分の納得できる方法で投資をしていくのがいいんじゃないかと思っています。
最後に投資の神様ウォーレン・バフェットの名言を
 
「投資には野球みたいにスリーアウトはない。絶好球が来るまで待てばいい。」
 
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。