現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

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ROAとは何か?

どうもこんにちは。現役のトレーダーのフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「ROAとは何か?」について述べていきたいと思います
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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ROA
 
正式名称はReturn On Assetで、日本語では自己資本収益率や純資産収益率などと言います。
計算式は
 
=純利益÷総資産
※総資産=純資産+負債
 
で、「投資家から預かったお金+借金を、いかに効率良く使って利益を出しているか」を測る指標になります。
例えば純利益200億円・総資産1000億円の企業があるとしたら、この企業のROA
 
ROA=200億円÷1000億円
  =20%
 
ということになります。
要は「ROAが高い企業=お金の使い方が上手い企業」になりますし、「ROAが低い企業=お金の使い方が上手くない企業」ということになります。
 
 
ROAROEの最大の違い
 
ROAROEの最大の違いは何なのかというと
 
ROEはマジックが効くのに対して、ROAはマジックが効かないこと」
 
です。
どういうことか説明します。
さっきと同じように純利益200億円・総資産1000億円の企業があるとします。
そしてこの総資産の資産構成が「純資産500億円+負債500億円」だったとすると、この企業のROAROE
 
ROA=純利益÷総資産
  =200億円÷1000億円
  =20%
 
ROE=純利益÷純資産
  =200億円÷500億円
  =40%
 
になります。
そしてこの企業が次年度に配当や自社株の消却などの株主還元を300億円分行うと同時に銀行などから300億円を借り入れた結果、純利益200億円・総資産1000億円(純資産200億円+負債800億円)になったとします。
この場合のROAROE
 
ROA=純利益÷総資産
  =200億円÷1000億円
  =20%
 
ROE=純利益÷純資産
  =200億円÷200億円
  =100%
 
になります。
ここで注目してほしいのは、「ROAは全体の資産の利益効率性なので資産構成を変えてもその数値は変わらないが(20%→20%)、ROEは純資産の利益効率性なので資産構成を変えただけでその数値も変わってしまうこと(40%→100%)」です。
つまりはいたずらにROEだけを投資指標として見ると「本当にその企業の利益効率性は成長しているのかどうかはわからない」ということです。
なのでもし「投資する際の判断基準として、利益効率性の成長を見る」のであればROEの推移よりもROAの推移を見た方がいいと思います。
もちろんROAでも純利益・総資産ともに減って純利益100億円・総資産200億円になった場合でも
 
ROA=純利益÷総資産
  =100億円÷200億円
  =50%
 
となり「純利益は減っているんだけどROAは高まっている」という状態になるので「ROAが高まる=利益が伸びる」という図式は必ずしも成り立ちませんが、少なくともこの場合には「利益を生み出すために必要なリソースが前よりも少なくて済んでいる状態」であることに変わりはないので、もし今後もこの50%というROAを維持できれば総資産が元の1000億円になった時には純利益は前よりも多い500億円(=1000億円×50%)になる可能性が高いということになります。
 
 
☆まとめ
 
まとめると
 
ROA=全体の資産の利益効率性を測る指標
ROE=投資家から預かった純資産の利益効率性を測る指標
 
ROA=マジックが効かない
ROE=マジックが効く
 
ROA=その企業の利益効率性の水準を測る上では割と有効
ROE=その企業の利益効率性の水準を測る上ではあまり使えない
 
ということになります。
結局は「どの項目を重要視するか?」によると思うので、自分なりに納得した項目を基準にしてやっていって頂ければと思います。
 
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。