現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

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投資・投機で利益を挙げるためには、どういう取引を目指したらいいのか?

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「投資・投機で利益を挙げるためには、どういう取引を目指したらいいのか?」について考えを述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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☆どういう取引を目指したらいいのか?
結論から言うと、
「期待値がプラスの取引」だと思います。
 
まず期待値の計算式を下記します。
 
期待値=(利益確率×一回あたりの利益)+(損失確率×一回あたりの損失)
 
となります。
ここにおいて期待値がプラスの取引の具体例は以下になります。
 
利益確率:損失確率=60%:40%
一回あたりの利益:一回あたりの損失=+10%:-10%
 
期待値=(60%×10%)+(40%×-10%)
   =6%-4%
   =+2%
 
これが意味するところは、
 
「理論的には取引一回につき、手数料控除前で+2%の利益が出る」
 
ということになります。
つまり理論的にはこの取引を10回行えば+20%の利益(=2%×10回)が出て、100回行えば+200%の利益(=2%×100回)が出るということになります。
そして「取引一回あたりの期待値>取引一回あたりの手数料」となるのであれば、この取引は「やった方が良い(というかやるべき)取引」ということになります。
 
 
次に期待値がマイナスの例を見ていきましょう。
 
利益確率:損失確率=90%:10%
一回あたりの利益:一回あたりの損失=+1%:-10%
 
期待値=(90%×1%)+(10%×-10%)
   =0.9%-1.0%
   =-0.1%
 
利益確率自体は高いのですが、期待値がマイナスとなっているこの場合には、
 
「理論的には取引一回につき、手数料控除前で-0.1%の損失が出る」
 
ということになります。
つまり「やればやるほど損失が膨らむ取引」になるので、いくら利益確率が高くとも
 
「利益を出したいのであれば絶対にやってはいけない取引」
 
ということになります。(あとはここに取引一回あたりの手数料が乗っかってくる)
 
 
☆理論的には期待値がプラスでも、必ずしもそうなるワケではない
ここまで期待値の概念について説明してきましたが、あくまで上記で述べてきたのは「理論的な取引一回あたりの期待値」です。
なので試行回数が多くなれば「理論期待値×試行回数=実際の利益」となる可能性が高いですが、試行回数が少ないと「理論期待値×試行回数=実際の利益」とはならない可能性の方が高いです。
コイン投げで例えると、歪んでいないコインを投げると、
 
「表が出る確率:裏が出る確率=50%:50%」
 
になりますが、そのコインを10回投げてもキッチリと「表:裏=50%:50%」になる可能性は低いです。
しかし投げる回数が100回、200回、1,000回と増えていけば徐々に「表:裏=50%:50%」に収束していくハズです。
 
これと同様に、「利益確率:損失確率=60%:40%」の取引でも試行回数10回では本来の期待値に収束する可能性は低いですが、それが100回、1,000回と増えていくことで徐々に本来の期待値に収束していく可能性が高いです。
 
なので
 
「この取引の理論期待値は+2%だから、10回で大金持ちになれるようにレバレッジを目一杯かけまくって取引をしよう」
 
ということは考えず、
 
「この取引の理論期待値は+2%だけど、すぐには確率が収束しないだろうから、最悪のケースでもこの取引を続けられる範囲の資金量で取引をしよう」
 
というふうに考えた方がベターだと思います。
 
 
☆まとめ
いかがだったでしょうか?
ポイントをまとめると、
 
①期待値がプラスの取引をする
 
②短期的には「理論期待値×試行回数=実際の利益」とはならない可能性が高く、中長期的に試行回数を積み上げることで「理論期待値×試行回数=実際の利益」となる可能性が高くなる
 
③「短期間で巨額の利益を挙げる」ことではなく、「確率が収束するまで中長期的に続けていくこと」を目標として、最悪のケースに備えた資金量で取引を行う
 
の3つになります。
個人的な考えにはなりますが、いちおう論理は通っているのかなと思ってますので、ご参考になれば幸いです。
 
今後も「投機・投資」に関して、現役の投機家の視点から日々感じたこと・考えたこと・思いついたことをアウトプットしていければと思いますので、気に入ったらば応援して頂ければと思います。