現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

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株主優待の注意点

どうもこんにちは。現役のトレーダーのフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「株主優待の注意点」について述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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株主優待とは?
 
株主優待で生活をしている桐谷さん」とかで有名な株主優待ですが、定義をするのではあれば
 
株主優待=その会社の株を保有することでもらえるオマケ
 
ということになります。
優待の品はクオカードや、飲食の会社ならばその会社が経営している店舗での割引券などに会社によって様々なものになります。
ちなみに日本ではポピュラーな制度ですが、欧米ではかなりマイナーな制度で欧米のほとんどの会社は株主優待を行っていないそうです。
 
 
☆何が注意点なのか?
 
巷では「優待をもらうとお得!」とか「この優待は金額換算するとこれくらいの優待利回りになります!」とか言われていて株主優待を推奨するような風潮がありますが、個人的にはその風潮には違和感があります。
なぜならば優待利回り以上に株の値動きで損をしてしまったら意味がないと思うからです。
なので個人的には株主優待について思うのは
 
「そもそもその会社の株を買いたくて買って、その結果オマケとして優待がもらえるのならば良いけど、優待目当てにその会社の株を買うのは何か違うんじゃないか?」
 
ということです。
もっと言えば、
 
「優待をもらうために、大して買いたくもない会社の株を買って、その分だけ自分の資産をリスクにさらすということをしたいのか?」
 
を考えた方がいいんじゃないかと思います。
例えば「この洗濯機を買うと、オマケとして洗剤セットをプレゼントします」というものがあったとしましょう。
この場合は「もともとその洗濯機が欲しかったから買って、その結果オマケとして洗剤セットがもらえた」ならば話はわかるんですが、逆に「洗剤セットをもらうために、大した欲しくもないその洗濯機を買う」というのは本末転倒な気がします。
これを株に当てはめると、「もともとその会社に見込みがあると思っていて、その株が欲しくて買ってその結果オマケとして株主優待がもらえた」ならばいいと思うんですが、「その株主優待が欲しいがために大して見込みがあると思っていないし欲しくもないその会社の株を買う」というのは何かが違うんじゃないかということです。
 
 
☆値下がりをヘッジするために「つなぎ売り」をすればいいんじゃないか?ということについて
 
上記で述べた「優待利回り以上に値下がりで損をしてしまっては意味がない」ということについて、
 
「だったら、買うと同時につなぎで空売りをしておけば、値下がりをヘッジして優待をタダ取り出来るんじゃないか?」
 
という意見がありそうなのでそこについて言及すると、確かにそれはそれでアリなのですが、それはあくまで「つなぎの信用売りをするにあたって、逆日歩貸株料がなければ」の話であって、現実的にたいていの場合はつなぎ売りをする時に「逆日歩貸株料がかかる」ので、そのコスト分だけ優待利回りは下がりますし、下手すると逆日歩貸株料のコストだけで優待利回り以上になってしまう可能性があるので、「株主優待のタダ取りは現実的には出来ない可能性が高い」と考えています。
 
少なくとも、つなぎ売りをどうしてもしたいのならば、この逆日歩貸株料について理解しておく必要があると思っています。
 
 
☆まとめ
 
以上述べてきましたが、要は言いたいのは
 
自分が「その株の有望性」を見込んで買うならいいけれど、自分が「その株の有望性」よりも「目先の株主優待」の方に目が行っていないかどうかを考えて欲しい
 
ということです。
ある種株主優待というのはその会社のIR部門(投資家向け広報部門)におけるマーケティングの一環として行っていることが往々にしてあるので、そのマーケティング戦略に乗っかって投資において本来見るべき「その会社の有望性」を見失っていないかどうかを考える必要があると思っています。
 
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。