現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

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株式投資で重要な「流動性」について

どうもこんにちは。現役のトレーダーのフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「株式投資で重要な『流動性』について」というテーマで述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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流動性とは?
 
流動性とは、簡単に言うと「その株の買いやすさ・売りやすさ」になります。
一般的に「流動性が高い株=買いやすいし、売りやすい株」という意味ですし、「流動性が低い株=買いにくいし、売りにくい株」という意味になります。
 
 
☆なぜ流動性は重要なのか?
 
流動性が重要な理由は「その株の流動性次第で、自分の出した注文が株価の値崩れを起こしてしまう可能性があるから」です。
逆に言えば「流動性が高い株に対して注文を出した場合には、自分の出した注文で株価の値崩れを起こしてしまう可能性が低い」ということになります。
「値崩れを起こさない、流動性が高い状態」から例を挙げて説明します。
以下のような板の株があったとします。
 
    @102円 200株
    @101円 300株
    @100円 500株
500株  @99円
300株  @98円
200株  @97円    
 
この株に対してあなたが「成行・100株・買い注文」を出したとします。
そうするとあなたの注文100株は売り気配(この価格なら売ってもいいよ、という株数)の先頭の「@100円・500株」の内におさまるので、「@100円で100株買えた」ということになります。
逆にあなたが既に100株保有していて「成行・100株・売り注文」を出したとすると、買い気配(この価格なら買ってもいいよ、という株数)の先頭の「@99円・500株」の内におさまるので、「@99円で100株売れた」ということになります。
これらの場合のポイントは「自分の出した注文数が、気配値の株数の内におさまっていたので、自分の出した注文で株価の値崩れを起こさなかった」ということです。
 
では次に「値崩れを起こす、流動性が低い状態」を例を挙げます。
同じ板の株を使います。
 
    @102円 200株
    @101円 300株
    @100円 500株
500株  @99円
300株  @98円
200株  @97円 
 
この株に対してあなたが「成行・1000株・買い注文」を出したとします。
しかし今回はあなたの注文1000株は売り気配の先頭の「@100円・500株」の内におさまりません。
そうすると買いの価格が切り上がっていき、最終的には「@100円で500株、@101円で300株、@102円で200株を買った」ということになります。
もし想定が「平均取得単価=100円」だったとしても、その株の流動性以上の注文を出してしまったので結局この場合には「平均取得単価=100.7円」となってしまっているワケです。
逆にこの株に対してあなたが「成行・1000株・売り注文」を出したとします。
しかしあなたの注文1000株は買い気配の先頭の「@99円・500株」の内におさまりません。
そうすると買いの価格が切り下がっていき、最終的には「@99円で500株、@98円で300株、@97円で200株を売った」ということになります。
もし想定が「平均売却単価=99円」だったとしても、その株の流動性以上の注文を出してしまったので結局この場合には「平均売却単価=98.3円」となってしまっているワケです。
これらの場合のポイントは「自分の出した注文数が、気配値の株数を超えていたので、自分の出した注文が株価の値崩れを起こした」ということです。
 
ちなみに上記の買い注文が成行ではなく「指値@100円・1000株・買い注文」だった場合には、とりあえず「@100円・500株」は買い約定しますが、残りの500株についてはすぐに約定するのではなく、「@100円以下で500株の売り気配」が出てくるまでは約定しません。
同じように上記の売り注文が成行ではなく「指値@99円・1000株・売り注文」だった場合にはとりあえず「@99円・500株」は売り約定しますが、残りの500株についてはすぐに約定するのではなく、「@99円以上で500株の買い気配」が出てくるまでは約定しません。
つまりはこの板の状態ですぐに約定するかどうかは別にして、「どうしても@100円以下で1000株買いたい場合」には成行ではなく「指値@100円・1000株・買い注文」を出した方がいいですし、「どうしても@99円以上で1000株売りたい場合」には成行ではなく「指値@99円・1000株・売り注文」を出した方がいいと思います。
 
 
☆まとめ
 
以上が流動性についてでしたが、ポイントは
 
「自分が買いたい株数・売りたい株数は、その株の流動性の範囲内におさまっていて、自分の出した注文で株価の値崩れを起こさないかどうか」
 
です。
そしてこの流動性というものは「絶対的」に流動性が低い株があるとか流動性が高い株があるとかではなく、投資する主体によって「相対的」に流動性が低い株や流動性が高い株になるといったものになります。
例えば「売り気配が10億株の株」があるとしても、それは「100億株買いたい機関投資家からして見たら「流動性が低い株」になりますし、「1万株買いたい個人投資家からしてみたら「流動性が高い株」になります。
ここらへんを鑑みながら、「こんな価格で約定するハズじゃなかったのに」みたいなことを回避して頂ければと思います。
 
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。