現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

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億万長者の思考法「反証」とは何か?

どうもこんにちは。現役のトレーダーのフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「億万長者の思考法『反証』とは何か?」について述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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☆反証とは何か?
 
反証とは、イギリスで活躍した哲学者のカール・ポパーが提唱した概念のことで、
 
「ある命題を証明するときに、それが正しいという根拠を探すのではなく、逆にそれが間違っているとする根拠を積極的に探し求め、間違っている根拠が見つからなかった場合には逆説的にその命題を『暫定的に正しい』とするという考え方」
 
のことです。
例を挙げると「太陽は東から昇る」という命題を証明したい場合には「太陽が東から昇ってきた日」を大量に計測して「太陽は東から昇る」という命題を正しいとするのではなく、「太陽が東以外の方角から昇ってきた日」を探し求め、一度でもそういう日がなかった場合には「太陽は東から昇る」という命題を「暫定的に正しい」とするということです。
そしてどの億万長者がこの「反証思考」を使っているのかというと、ソロス・ファンドマネジメントの創業者で「ヘッジファンドの帝王」の異名を取るジョージ・ソロスです。
彼は自身の投資プロセスにおいてこの「反証思考」を使うことで、自分が立てた仮説を厳しくテストしていき、そのテストを潜り抜けた仮説を実行に移していき、巨万の富を築いたと言われています。
なぜソロスが反証を身に着けたかと言うと、そもそもソロスはファンドマネージャーではなく哲学者になりたかったらしく、そのために当時ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで教鞭をとっていたポパーに学ぶべくそこに入学し直接薫陶を受けていたそうです。
そしてそれが巡り巡って彼の深い思考の原点になっているようです。
 
 
☆投資にあてはめるとどうなるか?
 
この反証を投資にあてはめるとどうなるか?
例えば買いたい株があったとすると、普通なら「この株が上がると思う根拠」を探しがちになってしまいます。
これは人間の脳が本来持っている「確証バイアス」によるもので、要は「自分の考え・直感が正しいとする根拠ばかりに目が行ってしまう」ということです。
そこで反証を使うと「この株が下がると思う根拠」の方を積極的に探しにいくことになります。
そしていくつか出てきた仮説の「起こる可能性」を考えてその可能性が低いのであれば投資実行、ということになります。
逆に「起こる可能性」が高いのであれば見送り、といった感じです。
可能性なので必ずしも定量的なものではないかもしれませんが、反証を使うと少なくとも確証バイアスに従ったときに比べて「最悪の場合の想定」をしているので「想定していなかったリスクに足元をすくわれる可能性」は低くなると思われます。
あと自信過剰になる可能性も相対的に低くなると思うので、自分のポジションに対して良い面と悪い面を想定した中立的な立場でいることが出来ると思います。
そして個人的には「投資で失敗しないためには、人間の脳の生理に反した意思決定をした方が良い」と考えているので、そういう意味でも確証バイアスを意識的に避けることが出来るこの「反証思考」は試してみる価値があると思っています。
 
 
☆まとめ
 
以上述べてきましたが、ポイントをまとめると
 
①自分が間違っているとする理由を積極的に見つけに行く
②人間の脳の生理とは反する意思決定を意識的にしに行く
 
ということです。
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。