現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

現役のトレーダーとしての実感・経験・視点から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。

ネット証券と対面の証券ってどっちがいいの?

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「ネット証券と対面証券の違い」について述べていきたいと思います。
※耳で聞きたい方のためのラジオ版(同内容のYouTube)はこちら↓
 
 
☆主な違い
 
前提からお話すると、僕は以前は対面証券の営業マンで、いまは投機家としてネット証券を使用しています。
なので自分の実感としてのネット証券と対面証券の主な違いは2つあります。
 
①担当の営業員がつくか、つかないか
②手数料
 
それではそれぞれの特徴を見ていきましょう。
 
 
☆ネット証券
 
【特徴】
・担当の営業員がつかない
・「事務手続き~銘柄の選定~売買の執行」までを全部自分でやる
・手数料が安い
 
担当の営業員がつかず、「事務手続き~銘柄の選定~売買の執行」までを全部自分でやる分手数料が安いといった感じです。
次に対面証券の特徴についてまとめます。
 
 
☆対面証券
 
【特徴】
・担当の営業員がつく
・「事務手続き~銘柄の選定~売買の執行」について相談出来る
・手数料が高い
 
こちらは担当の営業員がつき、「事務手続き~銘柄の選定~売買の執行」について相談出来る分相対的に手数料が高いといった感じです。
 
 
☆個人的には・・・
 
断然ネット証券の方をおススメします。
というのも、総合的に考えて対面の証券会社を使うメリットがないからです。
対面証券で口座を作って担当者についてもらおうと考えている方はおそらく、
 
「証券会社の営業は『投資のプロ』だから、アドバイスを受けて投資をした方が安心」
 
と思うパターンが多いのではないでしょうか。
ですが「証券会社の営業=投資のプロ」ということについては個人的には「ほぼ完全に間違っている」と思います。
確かに「金融商品の知識」は一般の方よりも豊富なのですが(売らなきゃいけないから)、「投資スキル」に関しては一般の方と変わらない可能性が高いです。
つまりは、よほど確固たる作戦でもない限り、「利益確率:損失確率=50:50」である可能性が高いので「証券会社の営業による銘柄選定のアドバイス」は意味がない可能性が高いということです。
 
自分で銘柄を選ぶのと質が変わらないのであれば、手数料が安い分だけ期待値が削られないので「敢えて対面証券を使うメリット」はないワケです。
もちろん「事務手続きがわからないから相談出来た方がいい」という声もあるかもしれませんが、ネット証券でもコールセンターがあるのでそこに電話すれば丁寧に教えてくれますし、なんならば外交で外に出ている担当営業員よりもコールセンターに電話した方がつながりやすいです。
実際に僕もネット証券のコールセンターにはけっこう頻繁にお世話になっていますし、いつも丁寧に対応してくれるので助かっています。
 
 
☆まとめ
 
ここまでをまとめると、
 
・事務手続きに関してはネット証券でもコールセンターに電話すれば丁寧に教えてくれる
・銘柄選定に関しては自分で選んでも営業員のおススメでも質は変わらない
・ネット証券の方が対面証券よりも相対的に手数料が安い
 
ということから「敢えて対面証券を使うメリットはない」と言えます。
もちろん前の会社やお客さんには感謝してますし、「対面証券はダメだ」と言っているワケではないですが、あくまでも現在の実感として論理的に考えるとそういう結論になるという話です。
 
ご参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

投資・投機をする上でオススメの本

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
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今回は「投資・投機をする上でオススメの本」について述べていきたいと思います。
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☆まぐれ(ナシーム・ニコラス・タレブ著、望月衛訳、原題:Fooled by randomness)
デリバティブのトレーダー、エッセイスト、哲学者、大学教授と様々な肩書きを持つ、通称NNT(ナシーム・ニコラス・タレブ)の代表作の一つ。
「まぐれと実力の違い」について持論を展開するとともに、昨今の金融業界に痛切・痛快な批判を浴びせています。
「自信過剰になることの恐ろしさ」に気づかせてくれます。
 
 
ブラック・スワン(上・下)(ナシーム・ニコラス・タレブ著、望月衛訳、原題:Black Swan)
同じくNNTの著作で、最大の代表作。
「不確実性に対してどう向き合うか」について解説した名著であり、僕の投資観・投機観を決定的に変えた一冊です。
「リターン/リスクの比率」について考えさせられます。
 
 
☆ファスト&スロー(上・下)(ダニエル・カーネマン著、村井章子訳、原題:Thinking,Fast and slow)
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者」という異色の存在であり、「行動経済学の始祖」として有名なダニエル・カーネマン博士の代表作。
「自分たちが無意識のうちに色んなバイアスに左右されていること」に気付かせてくれる名著です。
これは自分の人生観を変えた一冊です。
 
 
☆プリンシプルズ(レイ・ダリオ著、斎藤聖美訳、原題:Principles)
世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエイツ」の創業者であり、「新・ヘッジファンドの帝王」の異名を取るレイ・ダリオの代表作。
主に語られている内容は「仕事の秘訣・人生の秘訣・経営の秘訣」であり、投資のことはちょろっとしか出てこないことから、どちらかと言うと「経営者向けのビジネス書」といった感じです。
ですが、その内容は「確固たる作戦を持って論理的に投資・投機を実行していくこと」の重要性を気付かせてくれます。
 
 
☆投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス著、貫井佳子訳、原題:The most important thing)
ディストレス債投資(不良債権への投資)を得意とするヘッジファンド「オークツリー・キャピタル」の創業者。
最近は「良い不良債権がない」という哲学的な悩みを抱えているらしいです。
そして本書の内容は長年かけて積み上げてきた投資哲学について語っており、特に「いかに負けない投資をするか」にフォーカスして語っています。
「最悪の場合を考えて投資・投機をすること」の重要性を気付かせてくれます。
 
 
ウォーレン・バフェット成功の名語録(桑原晃弥著)
ウォーレン・バフェットの著作、ではないがバフェットの過去の発言をまとめた本。
主に投資哲学について書いてありますが、「バフェットはこういう時にこう考えるのか」というその人生哲学も一読の価値ありです。
 
 

良い取引手法と悪い取引手法の違い

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今回は「良い取引手法と悪い取引手法の違い」について述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」
 
 
☆良い取引手法と悪い取引手法の違いとは?
 
結論から言うと、
 
「期待値がプラスかつ、実際に実行可能かどうか」
 
です。
計算式に直すと
 
取引手法=期待値×実行可能性
 
という形にできるワケです。
つまり良い手法とは「期待値がプラス×実行可能」なのに対して悪い手法とは「期待値がプラス×実行不可能」ということになります。
例を挙げて説明します。
例えば「一日の安値で買って高値で売ると、取引一回あたりの期待値が+5%出る」といった手法があったとします。
一年間の営業日数が約250営業日なので、この取引の年間のリターンは「+5%×250営業日=+1250%」ということになります。
リターンだけ見たらとんでもなく優秀な取引になりますが、実行可能性を加味するのであれば、この取引の価値はゼロになると考えます。
というのも、全ての日数を一日の安値で買って高値で売るといった芸当はほぼ実行不可能だからです。
よってこの手法の「真の期待値」は、「+5%×0%=0%」ということになり、「やっても意味がない」ということになります。
対して「取引一回あたりの期待値が+0.100%」「実行可能性=100%」という手法があったとすると、取引一回あたりの期待値は上記の手法にはるかに及びませんが、今度は実行可能性が100%なのでこの手法の「真の期待値」は、「+0.100%×1%=+0.100%」ということになります。
これを250営業日行うと年間の期待リターンは「+25%」となるので、かなり立派な手法ということになります。
 
 
IPOで例えてみる
 
今までは仮の話でしたが、今度は「取引一回あたり期待値が大きいけど実行可能性が低い取引の代表格」である「IPO投資」を例にとって考えてみましょう。
IPOは良い企業の株を抽選で配分されると「取引一回あたりの期待値=+100%」と言われています。
しかしそんなことは誰でも知っているので、期待値が高い良い企業の株であればあるほど抽選の競争倍率が跳ね上がります。
仮に「取引一回あたりの期待値=+100%」「当選率=1%」とすると、IPO投資の「真の期待値」は
 
=+100%×1%
=+1%
 
ということになります。
いずれにせよ「取引一回あたりの期待値=+1%」はけっこう優秀な部類には入ると個人的には思うんですが、しかし一年間にIPOする企業は限られていますしそもそも当選率が低いので、年間の期待リターンを考えるとIPO投資は実行可能性の面から必ずしも優秀な手法とは言えないと思います。
 
 
☆まとめ
 
あと補足で投資セミナーや投資本などで言われている手法について述べたいと思います。
よく「儲かる手法を教えます」と言っていると思うんですが、この手法について考えられるパターンは主に2つです。
 
①期待値は確かにプラスかもしれないが、実行可能性が低いないしは実行不可能
②実行可能かもしれないが、そもそも期待値がちゃんとプラスかどうかわからない
 
①の場合は実行可能性の低さから期待値がゼロに限りなく近くなる可能性が高いので、セミナー代や本代の無駄になる可能性が高いです。
②の場合はいくら実行可能でも「サンプル数・期待値・確率の統計的有意性・ベータとアルファ」を知ることが出来なければ、その手法は疑ってかかった方がよいと思います。
 
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

「ギャンブル」と「投資・投機」の違い

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
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今回は「『ギャンブル』と『投資・投機』の違い」について述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」
 
 
☆「ギャンブル」の定義
 
「ギャンブル」の定義は、
 
①確率を完全にコントロールしている胴元が存在する
②理論的には取引の期待値がマイナス
③求めるものは「利益」ではなく「スリル」
 
ということになります。
例としては、
 
宝くじ
カジノ
パチンコ
スロット
 
などが主な「ギャンブル」として挙げられます。
ちなみに例に挙げた4つの中で最も凶悪なギャンブル(理論期待値のマイナス幅が大きい)なのは、「宝くじ」と言われています。
そして宝くじの期待値はだいたい
 
「-50%」
 
と言われています。
つまりは「宝くじは理論的には、買った金額の半分しか手元に戻ってこないように設計されている」ということになります。
 
 
☆「投資・投機」の定義
 
一方「投資・投機」の定義は、
 
①確率を完全にコントロール出来る胴元が存在しない
②やり方によっては取引の期待値がプラスにもマイナスにもなる
③求めるものは「スリル」ではなく「利益」
 
ということになります。
例としては、
 
株式市場
債券市場
不動産市場
為替市場
 
などが主な「投資・投機」として挙げられます。
そして個人的には「投資」と「投機」の違いは以下のようになると考えています。
 
投資:「市場価格」と「本来の価値」の差に賭けること
投機:先行指標に基づき適切に動くこと
 
つまりは「投資」は「市場価格と本来の価値が収束していくこと」によって利益を挙げていくのに対し、「投機」は「先行指標の確度」によって利益を挙げていくことになります。
 
 
☆まとめ
 
「ギャンブル」と「投資・投機」の違いは、ポイントをまとめると以下のようになります。
 
①確率を完全にコントロール出来る胴元の有無
②期待値が確実にマイナスになるか、プラス・マイナスどちらの可能性もあるか
③求めるものが「スリル」なのか「利益」なのか
 
そして「投資」と「投機」の違いは、
 
投資:「市場価格」と「本来の価値」の差に賭けて、その収束が損益に直結する
投機:先行指標に基づき適切に動いて、その先行指標の確度が損益に直結する
 
ということになります。
なのでみなさんには、
 
自分はスリルを求めて「ギャンブル」をしたいのか?もしくはしているのか?
自分は利益を求めて「投資・投機」をしたいのか?もしくはしているのか?
 
の2つをまず自分自身に問いかけてみて頂きたいのと、「投資・投機」をするのであれば、
 
自分は「市場価格」と「本来の価値」の差が収束する方に賭けたいのか?もしくは賭けているのか?
自分は先行指標の確度に賭けたいのか?もしくは賭けているのか?
 
を同じく自分自身に問いかけてみて頂きたいと思っています。
 
個人的な意見ですが、ご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

証券会社の営業との正しい付き合い方

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「証券会社の営業との正しい付き合い方」について述べていきたいと思います。
※耳で聞きたい方のためのラジオ版(同内容のYouTube)はこちら↓
 
 
☆証券会社の営業と付き合うメリットとは何か?
 
おそらくこれから投資を始めようと思っている方や、投資をやっているけどなかなか上手く行かなくて悩んでいる方が割とやりやすいのが「証券会社の営業に担当についてもらって、資産運用についてアドバイスを受けること」だと思います。
そして営業と付き合うことについての主なメリットとして考えられていることは、
 
①「右も左もわからない状況においては、誰か相談出来る相手がいた方が安心」
②「証券会社の営業=投資のプロだから、担当に付いてもらった方が確実な資産運用ができる」
 
という2つのことだと思います。
この2つについて、個人的には1つ目の「相談出来る相手がいた方が安心」というのは部分的にメリットだと思いますが、2つ目の「証券会社の営業=投資のプロ」はほぼ完全に間違っていると思います。
 
 
☆証券会社の営業とは何なのか?
 
結論から言うと、
 
「証券会社の営業≠投資のプロ」
「証券会社の営業=金融商品の販売のプロ」
 
だと思っています。
つまりは
 
「証券会社の営業は金融商品についての知識は豊富だが、投資スキルは皆無に等しい可能性が高い。」
 
ということです。
言い換えると
 
金融商品の知識は一般人よりも多いが、投資スキルは一般人と変わらない可能性が高い(=50:50)」
 
ということになります。
ではなぜそうなるのか?
答えは簡単で、
 
「投資で利益を挙げるスキルがあるなら、営業ではなくトレーディング部門にいるハズだし、そもそも利益を挙げる方法を他人にわざわざ教えるメリットがないから。」
 
です。
あと売れている営業とは自分自身の実感としては
 
「お客さんに利益が出ている、投資成績が良い営業」
 
ではなく、
 
「お客さんに損が出ていても、抜群のコミュニケーション能力で印象を悪くさせない営業」
 
という感じでした。
そしてコミュニケーション能力が高い営業にとっては「お客さんに利益が出ている状態」ではまさに鬼に金棒状態で、更に営業成績を伸ばします。
つまりは証券会社の営業にとって必要なスキルは、
 
「投資スキルではなく、お客さんと仲良くなる能力」
 
ということになります。
もちろん全ての営業に投資スキルがないとは思っておらず、中には確固たる作戦を持って提案する営業もいるとは思いますが、基本的には「証券会社の営業の99%以上は投資スキルがない」と思っておいた方が良いと思いますし、実感としてもそうでした。(あくまで可能性の問題で、「確固たる作戦を持った投資スキルがある営業」は見たことがなかったです。むしろ「なんでこんなことも知らないヤツがこんなに営業成績いいんだ?」という感じが多かったです。)
 
そして「確固たる作戦がない」+「利益確率:損失確率=50:50」=「直感・イメージに従った期待値がマイナスになる可能性が高い取引」となるので、基本的には営業の言う通りに証券を買っていたら、長期的には損失が出る可能性が高いと思います。
 
ちなみに一番タチが悪いのが、
 
「自分に投資スキルがあると勘違いしている、自信満々のコミュニケーション能力の高い営業」
 
です。
そういう人たちは「確率」も「期待値」もわかっていないですし、何よりも「大して調べていなくてエビデンスもないクセに、自分の直感に対して自信を持っている自信過剰状態」という場合が多いです。
そういう人を見かけたら、一目散に逃げましょう。
短期的には良い思いが出来る確率は50%ほどありますが、中長期的にはひどい目に会う可能性が高いと思います。
それでもそういう「自称投資のプロ」と出くわしてしまったら、以下の8項目を質問するといいと思います。
 
①トラックレコード(投資実績)
②総取引回数
③利益確率:損失確率
④利益確率:損失確率の統計的有意水準(1%&5%)
⑤取引一回あたりの利益:損失
⑥取引一回あたりの期待値
⑦取引一回あたりの期待値の標準偏差
⑧トラックレコードのベータ・アルファ
 
これに全て答えられなかったら基本的に信用しない方がいいですし、②の総取引回数が少なかったり、④の統計的有意水準が無かったりしたら、そもそも信用出来ないと思います。
 
 
☆証券会社の営業の目的
 
そして「自分の人を見る目に狂いはないから、自分が信用した営業は大丈夫だ。」と思われている方がいたら要注意です。
なぜなら「自分の直感に対する自信過剰」に陥っている可能性が高いからです。
そういう時は「証券会社の営業の目的って何だろう?」ということを考えてみて下さい。
答えは、
 
「お客さんが利益を出すこと」
 
ではなく、
 
営利企業として、手数料と信託報酬を稼ぐこと」
 
です。これに尽きます。
つまりは
 
「売った株が上がろうが下がろうが既に手数料はもらえているのでOKで、利益確定・損失確定でもまた手数料がもらえる。」
「売った投資信託が上がろうが下がろうが既に販売手数料はもらえているのでOKで、下がっても損切りせずに保有し続けてくれればその間は信託報酬をずっともらえる。」
 
ということになります。
要するに
 
「売った商品が上がっても下がっても、証券会社は損をしない。」
 
といった状況になっているので、基本的には「お客さんの利益・損失」と「証券会社の利益・損失」は噛み合っていないのです。
正確に言えば、
 
「証券会社にとっては、お客さんに損を出させることにインセンティブはないし、狙って損を出させることも出来ないが、お客さんが損をしても証券会社の懐が痛むことはない。」
 
ということです。
 
 
☆ではどう付き合えばいいのか?
 
結論から先に言うと、
 
「利益を出すことは諦め、その営業の人の出世を応援するためにボランティアとして貢献したいのなら付き合うべき」
 
ということになります。
元も子もない結論ですが、「営業には投資スキルがない」ということを鑑みると、そう思っておいた方が現実的です。
あと「営業との付き合い方」であるとすれば、
 
「普段から付き合っておいて、人気の新規公開株(IPO)があった時に配分をもらう」
 
というのがありますが、基本的に証券会社は「今後、多額の入金や手数料が見込める大口顧客」にしか配分したがらないですし、そもそも「IPOは特定の人に偏った配分をしてはならない」という規則があるので、毎度もらえる可能性は低いです。
ちなみに「大口顧客でもないのにやたらとIPOの配分をよこせ、と言ってくる人」は「IPOマニア」と呼ばれ、「特に面倒くさい顧客」として証券会社の営業から忌み嫌われます。(そういう人は人間としてはどうかと思うが、手数料を払い過ぎていなければその行動自体は割と経済合理性がある。)
 
 
☆まとめ
 
ここまでをまとめると、
 
・「証券会社の営業=投資のプロ」ではない
・証券会社の営業にとって「投資スキル」は必要ではない。必要なのは「お客さんと仲良くなる能力」である。
・証券会社の営業の目的は、「手数料と信託報酬を稼ぐこと」である
・もし証券会社の営業と付き合いたいのなら「これは利殖行為ではなく、募金行為だ。」と思っておいた方がいい。
 
ということになります。
ごちゃごちゃ言ってきましたが、証券会社の営業は「仕事」ではこんな感じが大半なのですが、「日常生活」ではすごく良い人だったりする場合もあります。
なので考え方としては、「人を憎まず、仕事を憎む」という方がいいと思います。
それと「投資は自己責任」なので、たまに
 
「○○証券の営業に損をさせられた。」
 
みたいなことを言う人がいて、気持ちはわからないでもないですが、「そもそも最終的に買う判断をしたのはそのお客さん」なので、自分の選択の結果を他のせいにするのは話の筋は通っておらず、論理的にも間違っています。
そしてたぶんですが、そういうことを言っている人は学ばずに今後も同じことを繰り返し続ける可能性が高いと考えれらます。
なので、そもそもそういったことになるのは「証券会社との付き合い方を知らなかったことなど」が原因かと思われるので、そうなる前にちゃんと「証券会社の営業とはいかなるものなのか?」を知っておいて、未然に防ぐことが重要だと思います。
 
個人的な経験や意見ですが、参考出来そうなところは参考にして頂ければと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

株式投資で重要な「流動性」について

どうもこんにちは。現役のトレーダーのフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「株式投資で重要な『流動性』について」というテーマで述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
リンクはこちら↓
現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」
 
 
流動性とは?
 
流動性とは、簡単に言うと「その株の買いやすさ・売りやすさ」になります。
一般的に「流動性が高い株=買いやすいし、売りやすい株」という意味ですし、「流動性が低い株=買いにくいし、売りにくい株」という意味になります。
 
 
☆なぜ流動性は重要なのか?
 
流動性が重要な理由は「その株の流動性次第で、自分の出した注文が株価の値崩れを起こしてしまう可能性があるから」です。
逆に言えば「流動性が高い株に対して注文を出した場合には、自分の出した注文で株価の値崩れを起こしてしまう可能性が低い」ということになります。
「値崩れを起こさない、流動性が高い状態」から例を挙げて説明します。
以下のような板の株があったとします。
 
    @102円 200株
    @101円 300株
    @100円 500株
500株  @99円
300株  @98円
200株  @97円    
 
この株に対してあなたが「成行・100株・買い注文」を出したとします。
そうするとあなたの注文100株は売り気配(この価格なら売ってもいいよ、という株数)の先頭の「@100円・500株」の内におさまるので、「@100円で100株買えた」ということになります。
逆にあなたが既に100株保有していて「成行・100株・売り注文」を出したとすると、買い気配(この価格なら買ってもいいよ、という株数)の先頭の「@99円・500株」の内におさまるので、「@99円で100株売れた」ということになります。
これらの場合のポイントは「自分の出した注文数が、気配値の株数の内におさまっていたので、自分の出した注文で株価の値崩れを起こさなかった」ということです。
 
では次に「値崩れを起こす、流動性が低い状態」を例を挙げます。
同じ板の株を使います。
 
    @102円 200株
    @101円 300株
    @100円 500株
500株  @99円
300株  @98円
200株  @97円 
 
この株に対してあなたが「成行・1000株・買い注文」を出したとします。
しかし今回はあなたの注文1000株は売り気配の先頭の「@100円・500株」の内におさまりません。
そうすると買いの価格が切り上がっていき、最終的には「@100円で500株、@101円で300株、@102円で200株を買った」ということになります。
もし想定が「平均取得単価=100円」だったとしても、その株の流動性以上の注文を出してしまったので結局この場合には「平均取得単価=100.7円」となってしまっているワケです。
逆にこの株に対してあなたが「成行・1000株・売り注文」を出したとします。
しかしあなたの注文1000株は買い気配の先頭の「@99円・500株」の内におさまりません。
そうすると買いの価格が切り下がっていき、最終的には「@99円で500株、@98円で300株、@97円で200株を売った」ということになります。
もし想定が「平均売却単価=99円」だったとしても、その株の流動性以上の注文を出してしまったので結局この場合には「平均売却単価=98.3円」となってしまっているワケです。
これらの場合のポイントは「自分の出した注文数が、気配値の株数を超えていたので、自分の出した注文が株価の値崩れを起こした」ということです。
 
ちなみに上記の買い注文が成行ではなく「指値@100円・1000株・買い注文」だった場合には、とりあえず「@100円・500株」は買い約定しますが、残りの500株についてはすぐに約定するのではなく、「@100円以下で500株の売り気配」が出てくるまでは約定しません。
同じように上記の売り注文が成行ではなく「指値@99円・1000株・売り注文」だった場合にはとりあえず「@99円・500株」は売り約定しますが、残りの500株についてはすぐに約定するのではなく、「@99円以上で500株の買い気配」が出てくるまでは約定しません。
つまりはこの板の状態ですぐに約定するかどうかは別にして、「どうしても@100円以下で1000株買いたい場合」には成行ではなく「指値@100円・1000株・買い注文」を出した方がいいですし、「どうしても@99円以上で1000株売りたい場合」には成行ではなく「指値@99円・1000株・売り注文」を出した方がいいと思います。
 
 
☆まとめ
 
以上が流動性についてでしたが、ポイントは
 
「自分が買いたい株数・売りたい株数は、その株の流動性の範囲内におさまっていて、自分の出した注文で株価の値崩れを起こさないかどうか」
 
です。
そしてこの流動性というものは「絶対的」に流動性が低い株があるとか流動性が高い株があるとかではなく、投資する主体によって「相対的」に流動性が低い株や流動性が高い株になるといったものになります。
例えば「売り気配が10億株の株」があるとしても、それは「100億株買いたい機関投資家からして見たら「流動性が低い株」になりますし、「1万株買いたい個人投資家からしてみたら「流動性が高い株」になります。
ここらへんを鑑みながら、「こんな価格で約定するハズじゃなかったのに」みたいなことを回避して頂ければと思います。
 
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

投資情報教材や投資セミナーを申し込む前に考えておいてほしいこと

どうもこんにちは。現役のトレーダーで、どちらかと言うと投機家のフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「投資情報教材や投資セミナーを申し込む前に考えておいてほしいこと」について述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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結論から言うと、
 
「なぜその人は利益が出る手法をわざわざ他人に教えるのか?」
 
を考えてみてほしいと思っています。
これについての可能性は個人的には2つあると考えています。
 
①お人よしで、「他の人にもお金を稼いで幸せになってほしい」と考えているから
②その手法はもう使えないのでマネされても問題ないが、見た目は筋が通っているからお金にはなりそうだと考えているから
 
ちなみに①は性善説に基づいており、②は性悪説に基づいています。
①については説明不要だと思うので説明はしませんが、②については少し説明が必要かと思われるので説明します。
 
例として「僕自身は具体的な手法についての教材やセミナーを売らないのか?」を挙げます。
理由は、
 
「他人にマネされると自分の利益が少なくなるリスクがあるから。」
「他人に教えて稼ぐよりも、自分でやって稼いだ方が効率が良いと考えているから。」
 
の2つです。
自分の手法は他の誰もやっていないとは思っていないですが、仮にそうだとしてもこちらからわざわざ自分の手法を開示するメリットがないですし、そもそも企業秘密を数万円~数十万円で他人に教える意味がわからないです。
それに「自分の手法が絶対だ」とか「絶対確実に利益が出る」とかは全然思っていないどころか、何ならばまだ実験中なところもあると思っているので、そんなもので人からお金を取ることは出来ません。
 
以上のことが「具体的な手法についての教材やセミナーを売らない理由」になります。(たぶん僕自身がケチなのもあるかもしれないですが。)
 
兎にも角にも、教材やセミナーの売り手が①に該当していた場合は「ただのラッキーで利益が出た人」でない限りにおいてはあまり問題がなさそうなのですが、②に該当していた場合は注意が必要です。
なぜならば「使えない手法=期待値が±0かマイナスの手法」ということになるので、基本的には「教材orセミナー代+手数料+α」だけ期待値がマイナスになる可能性が高いからです。
もちろん全ての教材やセミナーがダメだと言っているワケではなく、中には超良心的な教材やセミナーも存在しなくはないと思っています。(基本的にはないと思っているけど。)
ただ、露ほどの役にも立たなさそうな株芸人・FX芸人にあたってしまって無駄なお金を使わないためにも、申し込む前には
 
「なぜその人は利益が出る手法をわざわざ他人に教えるのか?」
 
について考えてみてほしいと思っています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。