現役トレーダー・フッキーの「金融リテラシー養成大学」

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新・ヘッジファンドの帝王が推奨する「オールウェザー・ポートフォリオ」とは何か?

どうもこんにちは。現役のトレーダーのフッキーです。
当ブログでは、現役のトレーダーとしての実感・経験・知識から、「金融リテラシーの向上」に役に立ちそうな情報・知識をアウトプットしています。
 
今回は「新ヘッジファンドの帝王が推奨する『オールウェザーポートフォリオ』とは何か?」について述べていきたいと思います。
※「ラジオ的に耳で聞きたい」という方のためにYouTubeでも同内容をアップしています。
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「新・ヘッジファンドの帝王」とは、世界最大のヘッジファンドである「ブリッジ・ウォーター・アソシエイツ」の創業者であるレイ・ダリオのことです。
彼が実際に自分の家族信託で運用しているのがこの「オールウェザーポートフォリオ」だと言われています。
レイ・ダリオ曰く、経済状況は以下の4つの天候があると言っています。
 
①経済成長期
②経済停滞期
③インフレ期
④デフレ期
 
そして「今どこの天候なのか、今後どのような天候になるのか」は予測不可能とも言っています。
そもそも予測不可能なのであれば、あらかじめ全天候に対応出来る資産クラスに分散投資しておくことで、いずれの天候になったとしてもそれぞれの恩恵を受けることが出来る、というのが彼の主張です。
そしてそれぞれの天候で恩恵を受けることが出来る資産クラスは以下の3つになります。
 
①株→経済成長期に恩恵を受ける
②債券→経済停滞期&デフレ期に恩恵を受ける
コモディティ→インフレ期に恩恵を受ける
 
例えば経済成長期には一般的には債券価格は下落しますが株価は上昇する傾向があるので株価上昇分の恩恵を受けることが出来ますし、経済停滞期&デフレ期には株価は下落しますが債券価格は上昇する傾向があるので債券価格上昇分の恩恵を受けることが出来るワケです。
それで全体の最適化を図っていきましょう、というのがオールウェザーポートフォリオの根本的な考え方になります。
 
 
☆資産配分と相関関係について
 
ただこのオールウェザーポートフォリオを組むうえで重要なのが「資産配分」になります。
レイ・ダリオは上記の3つの資産クラスを均等に組むのではなく、それぞれの資産クラスのリスク(振れ幅)に応じた資産配分を推奨しています。
簡単に言うと、「振れ幅が大きい資産クラスの配分比率を低く、振れ幅が小さい資産クラスの配分比率を高く」というような具合です。
一般的には「株式の振れ幅:債券の振れ幅=3:1」と言われているので、この2つを等分で配分した場合には「株式の振れ幅:債券の振れ幅=3:1」というポートフォリオになっており、結果的に「株式のリスクに左右されやすいポートフォリオ」になるワケです。
なのでポートフォリオ全体で結果的に「株の振れ幅:債券の振れ幅=1:1」になるように資産配分をすることによって、「どちらの振れ幅にも偏らないポートフォリオ」を組んでいくことを推奨しているようです。
 
あとレイ・ダリオは「オールウェザーポートフォリオの本質は『各資産クラスの互いの相関関係の薄さ』にある」と考えているみたいです。
どういうことかと言うと、歴史的に見て株と債券は逆相関となっているので、互いが互いの値動きを相殺する関係にあるということと、歴史的に見てコモディティは株・債券とはほぼ関係のない値動きをするので、その2つの資産クラスとは独自にインフレに適応できるということです。
つまりは相関関係が薄いもの同士をリスクに応じた資産配分することで、「同じリターンを得るのでもリスクを最適化することが出来る」ということらしいです。
ただ注意しておいた方がいいのが「歴史的に見れば株と債券は逆相関だが、今後もそうなるとは限らない。なんならば近年はその2つの資産クラスの相関関係は強まっている傾向が見られる。コモディティもまた然り。」ということです。
 
 
☆まとめ
 
以上をまとめると、
 
①「経済成長期・経済停滞期・インフレ期・デフレ期」の4つのどの天候になるかは予測出来ない。
②それぞれの天候に対応した「株・債券・コモディティ」をリスクに応じた資産配分でポートフォリオに組み込むことで全ての天候に対応出来るようにする。
③互いに相関関係が薄い組み合わせであればリスク・リターンの比率を改善出来る可能性が高い。
④注意点はこれまでの相関関係が今後も継続するかどうか
 
ということになります。
参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。